扶養義務と出費の話し

いきなり無理?両親の介護にかかる費用とその対策について!

いきなり無理?両親の介護にかかる費用とその対策について!

現在、皆様はどんな生活を過ごしていらっしゃいますか?

仕事、趣味、友達と遊ぶ、学校、習い事、家でゴロゴロと
その方の生活スタイルに合った行動をされているかもしれません。

ただ、そんな生活のルーティンの中にいずれは組み込まなければならない義務があります。

それは、「介護」です。

親は貴方自身への扶養義務がありますが、貴方自身も親への扶養義務があることをご存じでしょうか?

心の中でドキッとされた方もいらっしゃるかもしれませんが、
自身の両親が歳を取った時に、今度は自身が助ける側になれると素敵ですね。

今回は、介護が必要になった時に必ず問題となる「出費」の対策についてお伝えしましょう。

扶養義務?出費?

いきなり無理?両親の介護にかかる費用とその対策について!

先ずは、基礎的な知識を整理しておきましょう。
簡単にですが、流れは以下のようになります。

①家族間で親の介護がそろそろ必要という認識が一致し、家族で協力することになる。

②もし介護サービスを受ける場合には、「要介護度」という基準によって受けられるサービスが変わってくるので、市町村区の地域包括支援センターか、役所の高齢者窓口にて「要介護認定申請」という申し込みを行う
(自宅への訪問員の調査や主治医の意見書を使って、コンピュータや専門員の判断で要介護度が決定される)

③要介護度に合わせて、介護される本人の家で直接行う「在宅介護」、施設に通う「施設介護」のどちらかを選ぶ

=補足=
①親の介護が必要なことが分かっていて、その家族や親族が介護をしなかった結果、
本人が障害を患う、または死に至った場合は、それに対応した罰が科せられます。
(保護責任者遺棄致死罪など)

②介護する者は介護される者に対して、物理的なお世話以外にも経済的な援助も義務としてありますが、介護する者の経済的な状況によっては援助しなくても違反にならないこともあり、援助出来る範囲以内でいいとされております。

少し長く書き連ねてしまいましたが、先ずは、介護の流れと、大事な法律のお話しでした。

さて、今回のメインは、上記にもある「介護する者の経済的な支援」です。

介護となると時間を取られて行動も制限される他にも、
出費も状況によってはかなりの額となります。

先ずは、この出費が実際どれくらい掛かり、どんなケースが考えられるか見ていきましょう。

実際の介護の出費

いきなり無理?両親の介護にかかる費用とその対策について!

介護における出費は、「在宅介護」か「施設介護」か、またはその介護者の要介護度などによって額が変わってきます。

①月額出費
在宅介護:4.8万
施設介護:12.2万
※全体的に8.3万程かかるようです。

②要介護度による出費
※要介護度は、要支援の計2段階、要介護の計5段階あります。
要支援2:7.2万
要介護3:9.2万
要介護5:10.6万
※参考:生命保険文化センター
(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1116.html)

上記が大体の月額平均になるようですが、実際はその家族の状況によって出費は変わります。また、上記の月額の出費以外にも、介護の準備をする為の一時金として80万前後の出費を伴うようです。

お世話をすることも大変ですが、ここまで出費が伴うとなると精神的な負担は勿論、
現実的に難しいというケースも出てくると思います。

次は、この出費に関しての対策をいくつか挙げていきたいと思います。

介護出費のよる対策

いきなり無理?両親の介護にかかる費用とその対策について!

それでは、介護の出費対策について1つ1つ挙げていきましょう。

①地域包括支援センターに事の事情を相談する
⇒「とにかく費用が掛かるのは分かった。だがしかし、やっぱりどこから手を付ければいいか分からない」という方もいらっしゃるかと思います。
そんな時は、保健師や介護の専門員が配置されている地域包括支援センターに相談してみるといいでしょう。
そもそも要介護度を調査する為にも必要な窓口であり、まさにどこから手を付ければいいか分からない時におススメです。ただし、この施設に相談する前に、必ず家族で一度介護の方針を相談しておくことがとても大切です。
何故なら、ご両親によっては介護自体を避けたい時もあるかもしれないし、いきなりの介護生活に抵抗があるかもしれないからです。
先ずは、しっかりと家族でどこから始めるべきか考えるところからスタートしましょう。

②公的な負担軽減制度を利用する
⇒これは必ず覚えてほしい項目であり、今回のメインです。以下に簡単にまとめました。

1.「高額介護サービス費」制度
⇒1か月に支払った介護費用の合計が「負担限度額」を超えた際に、
超過分を戻してくれる制度
例:
●課税所得380万~690万未満は、93000円が負担限度額とされ、
これを超えた分を払い戻しとなる
●課税所得380万未満は、44,000円が負担限度額
●生活受給者は、15000円が負担限度額

2.負担限度額認定制度
⇒この制度は、介護施設で発生する食費や居住費に対して負担限度額を設定することで、費用の負担を抑える制度です。ただし、この制度が利用できるのは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの公的な施設限定となります。
故に、要介護度をしっかり調査しておくことが重要です。

3.「特定入所者介護サービス費」制度
⇒介護施設などに入所した者の所得や資産が一定以下の時は、食費や居住費などの費用を抑えられる制度です。これも自己負担限度額が設定されるため、超過分は支払う必要がありません。

4.所得税や住民税の控除を適用する
⇒訪問介護、訪問リハビリステーション、医療機関のデイサービスなどは医療費控除の対象となり、確定申告で医療費控除による所得税や住民税の税金を軽減することができます。

以上、いくつか代表的な対策を挙げました。

特に今回挙げた制度の中に頻繁に出てくる「負担限度額」という言葉。
各制度をしっかり調べて余計な出費を出さないことが大切となります。

しかし、何度も言いますが、
制度を利用する前に必ず家族で話し合ってから介護の準備を進めましょう。

家族で納得した上で準備を進めることが今後においても一番大切なことなのです。

最後に

いきなり無理?両親の介護にかかる費用とその対策について!

以上ここまで、介護が必要になった時に必ず問題となる「出費」の対策についてお伝えしました。

実際に介護することになってみないと分からない感覚や状況はあると思いますが、
そうなった時に出来るだけ素早く対処出来るようになる為にも普段から家族内で話し合った方が良いかもしれませんね。

介護となった場合、自身が育ててもらった分、今度は自身が両親へ恩返しする番です。

diary.st著