日々仕事で頑張っている毎日。
恋人と過ごす甘いひと時や友達と飲みに行く楽しさなど、
様々な日常がある中で、その出来事は突然やってきます。
「お母さん?聞いてる?」
「はい?何?」
いつも当たり前に会話していたはずの両親との違和感。そしてゆっくり気付き始めます。
(あっ…親もそろそろ年だよなぁ…)
今まで面倒を看てもらい育ててもらった両親の介護です。
私も最近、心の中でこの事実について意識をし始め、現在準備を少しずつしている最中です。
今回は、自身の人生で突然勉強が必要となる介護についての簡単な準備と心構えをお伝えしましょう。
その日は突然に…
先ずは、簡単に私の自己紹介をしておきましょう。
私の家族は、両親と私の妹を含めて4人家族。
現在私は独身で、お菓子の販売員の店長としてお仕事に就いており、
妹は結婚し、OLとして働いております。
几帳面な私と比べて楽観的な妹はいつも楽しそうでした。
私はそんな妹と自分自身をいつも比べてしまい、
「いつか自分にしか出来ない楽しい事を見つけるぞ」と心の中で常々思っていたのです。
そんな思いで自身を縛ってきた私は、今就いている仕事を熱心にこなしていましたが、
周りが見えていなかったのか、気が付けば月日は経ち、結婚もしないでただただ仕事に振り回される日々が続いておりました。
(近々誕生日だね、今度いつ実家に戻れる?)
母からのメールが来て、ふと私は家族の事を思い出します。
(そういえば、あれから実家に帰ってないなぁ…)
仕事に翻弄されていた私は、家族の事などすっかり忘れておりました。
そして、久しぶりに実家に顔を出したのですが、その時に私は驚いてしまったのです。
(あれっ?こんなに顔ってやつれていたっけ?)
久しぶりに父と母の顔を見たのですが、自身の前の記憶と別人の顔のように見えたのです。
さらには、前に両親に会った時には「普通に出来ていた事」が少し難しいと感じてしまいます。
会話中に「聞こえない」という言葉多く飛び交うのです。
私は、嫌な胸騒ぎと少しがっかりしたような気持ちになってしまいました。
(あぁ、そうか。両親はもう年がこんなにも重なってしまったんだ)
私は、自身の事で精一杯だったので、これから自身がしなくてはいけない事に、
正直に申し上げますと面倒だなと思ってしまったのです。
そう、「介護」ですね。
勿論介護についての知識は一切ありませんし、勉強もしたことがありません。
ですから、この実家帰りをきっかけに介護について学ばなくてはいけなくなったのでした。
介護の準備
突然両親の介護をするっていっても何をすれば…と私は思いました。
ですので、とりあえずネット検索で調べて行ったことを下記に簡単にまとめてみます。
①両親の健康状態のチェックと悩みを把握
⇒「声が聞き取りづらい」、「階段が昇るのが辛い」、「モノが見えにくい」など、そのような症状は無いか両親に尋ねてみます。一回の聞き取りでは全ては把握できませんが、その悩みによってどんなケアが必要となってくるか整理します。
②両親のお金周りについて
⇒お金周り!?と思う方もいらっしゃるとは思いますが、これはとても大切な事です。
「銀行の預金」、「保険はどのタイプか」、「金庫や財産の把握」、「年金の受取額」などこれらを出来るだけ把握して、現在両親だけでどのような生活が出来るかを把握します。
もし長期の介護が必要となった場合は、両親が介護にどれくらい資金を割けるかという事やどこまでケアをすればいいのかという指針になるからです。
③両親の薬や病気、生活の把握
⇒普段の両親の生活がどのように回っているかを確認することで、何を介護すればいいか整理します。特に抱えている病気を知る、かかりつけのお医者さんを把握することで、
今後起こり得る病気のリスクを考えます。
④両親との相談
⇒介護をしようとするのはいいですが、先ず実際の行動に移す前に両親と今後どうやって介護をしていけるかの相談をしましょう。
ここの相談がとても重要で、藪から棒にいきなり介護するからという心持ちで了承も得ずに行ってはいけません。
両親が望んでいる生活は何かという事をきちんと聞いた上で少しずつ実行していきましょう。
心構えと相談先
先程、介護に当たってやるべき事をお伝えしましたが、
そうは言ってもやはり自身の状況を考えると難しいことや、実行に移すことが困難な状況、知識不足でどうすればいいか分からないなんて事もあると思います。
そんな時は、各都道府県に「地域包括センター」という介護における相談先があるので、自身で両親の自宅近くのセンターに連絡をし、親の状況を相談するといいでしょう。
ただし、このセンターに相談する前には、きちんと事前に両親の状況をある程度把握しておく必要があります。
次に心構えです。
冒頭でも私の醜い心情を書き連ねてしまいましたが、やはり正直に言って仕事をしながら両親の介護をするというのは、大変厳しいと思う方もいらっしゃると思います。
嫌な言い方をすれば、自身にいくらでも使えるお金があり、いざという時は両親を高額な介護施設に入れておけばいいという事が出来る方もいるかもしれませんが、現実はなかなかそういきません。
ですので、先ずはこの順番で介護について準備をしていく事をおすすめします。
①先ずは、自身のスケジュールと財産はどのくらい割けるか整理。
②介護の知識について調べる
③簡単に現在の両親の状況を把握する
④ここまで来てから「地域包括センター」に相談する
という順番をおすすめします。
先ずは、自身が潰れてしまわないようにという事が何より重要です。
やはり自身が潰れてしまうと介護が出来ないだけはなく、両親にも心配を掛けてしまうからです。
とは言っても、ニュースを見ると両親の介護に疲れて自殺や心中なんていう決断をしてしまう人も少なからず居るようなので、自分自身をしっかり保つ為にも一人で悩むのではなく、兄弟やセンターなどの相談先を確保するという事が大切と言えるでしょう。
まとめ
以上ここまで、自身の人生で突然勉強が必要となる介護についての簡単な準備と心構えについてお伝えしました。
自身で精一杯という人がいらっしゃいましたら、例え批判を浴びる思いとはいえ、
私は心中お察しします。
ですがこれは避けて通れない道ですし、自身をここまで育ててくれた両親に対してもう一度考えを改め、感謝を持って介護が出来ればきっと可能だと思います。
皆様も是非一度、介護について考えてみて下さいませ。
diary.st著